斉藤上太郎にきいた【あなたが知って欲しい日本ってなんですか?】

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「今、上太郎さんが知って欲しい日本ってなんですか?」

この問いを日本の伝統文化を継承しファッション着物界を牽引する斉藤上太郎にきいてみた。

あらゆる業界でグローバル化が進んだことによってサプライチェーンが分断され、身近にある製品が誰の手によって作られ、どこから来たのかさえ見えづらくなる中、環境にもたらすさまざまな影響が懸念されている。

そんな中で、斉藤上太郎が次世代のキモノ作家達と「キモノイスト」を立ち上げ掲げたミッション。

「時代と共に変わりゆく美意識や価値観の中で、日本の民族衣装である「キモノ」を、大人の嗜みとして愛されるファッション文化としてサスティナブルかつグローバルに定着させる」

近年よく耳にするようになったサスティナブルは(Sustainable)=「維持できる」「耐えうる」「持ちこたえられる」、サスティナビリティー(Sustainability)=「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味します。

まさに、現代社会が直面する問題を解決するきっかけとなるムーブメントが日本の伝統文化から始まろうとしている。それが「キモノイスト」である。



Q1:キモノを着ることがサスティナブルに繋がるということですが、その真意とは?


斉藤上太郎: まず、キモノはその構造自体に無駄が少ないものです。すべてのパーツは長方形で構成され、直線的な縫製ゆえに仕立て直しや染直しをすることも可能です。比較的大きなパーツなので役目を終えたキモノも縫い目をほどき他の用途に生まれ変わります。「端切れ」は、ほとんど出ません。もともと洋服とは異なり、多少の体形の変化には影響なく着ることができます。体型に合せて縫い直すこともある程度は可能です。和装の文化の中でキモノを頻繁に新調するというのは一部の上流階級の人たちのみであり庶民は手入れを繰り返し何代にもわたり着用していたそうです。

それも、キモノがその構造上成しえるサスティナブルだと思います。





Q2:キモノイストについて「“未来のキモノ”を想像し、今までの伝統的なものの次の時代の美意識と価値観に合わせた進化を皆さんの前でお見せしたいという思いから計画したのが“キモノイスト”」とお話されていましたが、その真意とは?


斉藤上太郎: 日本の民族衣装であるきものは、歴史の流れと共にその役割も変化してきました。当時の流行柄や斬新なデザインは数百年の時を経て古典柄に。そうやって日本の伝統は進化と蓄積とを 繰り返してきたのです。
文明の進歩が速度を増しています。世界中のすべてのコトやモノの利便性が増し、世界的に画一化、均一化、 カジュアル化の波が押し寄せています。これは、時代の流れとともに積み上げてきた文化が停滞する時代、 云わばルーツ無き時代の突入とさえ言えるでしょう。しかし一方で、文明が進めば進むほどに、人として日本の固有の文化や伝統の重要性、必要性を感じずにはいられません。「伝統や文化」が停滞する今日、それらに次代の美意識と価値観を 加味した進化が求められます。「きもの」はただ伝統の衣装ではなく、ファッションとして新しく進化していく 存在でもあるべきです。



Q3:「ベストドレッサー賞」「ベストジーニスト賞」「日本ベストジュエリードレッサー賞」などがあり、キモノイストのistつまり“〜な人”を指す言葉ですが、キモノイストの場合の“〜な人”は?


斉藤上太郎: 新しく進化する日本の「伝統や文化」をその生活様式に写し取る 新時代の生き方、楽しみ方を 提案できる方々に「キモノイスト」の称号は贈られます。
生活様式(ライフスタイル)のあり方が多種多様になった現代、日本人のルーツの一つである「キモノ」を楽しむ、嗜むコトこそがクールでエレガントだと考えます。ストリートでファッションやモードとして日本人がもっと「キモノ」を評価するべきだし知るべきです。ワンピースドレスのようにキモノを楽しんでほしと思います。また、日常的にキモノを着るコトで日本人が日本にもっと興味をもつことが期待できると信じています。



Q4:今、上太郎さんが知って欲しいい日本とは?


斉藤上太郎: 日本人の持つ独特の美意識。その美意識は古典の延長(進化)にあるという事。





キモノイスト

http://kimono-ist.com/

斉藤 上太郎Jotaro Saito プロフィール

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